あくまくんが愛してやまない。




わたしのために買ってくれたの……?

ぜんぜん悪びれない様子だったから、わたしのことなんて頭にないと思ってたのに。


ただの気まぐれでしょ?

わかってるのに、そのちょっとした優しさにキュンとしてるんだもん。


わたしって、単純かな。



「き、恭平くん……っ」

「なに」

「ありがとう……!」



両腕でいちごみるくとメロンパンを抱き、彼にお礼を言う。

どちらもわたしの大好物。


頰を緩めるわたしに、彼は少し吹き出して笑った。



「単純かよ」



その言葉に、さっそくメロンパンをかじっていたのに、抗議する羽目になる。



「だって、嬉しいんだもん!」

「そういうとこが単純なんだって」


「ばかにしてるでしょ……!」

「さあね?」



もう、本当に意地悪!