あくまくんが愛してやまない。



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「ばかっ、恭平くんのばかぁ……!」


「いちおう彼氏なのに、ばか呼ばわりとはひどいこと」


「あくびしながら言わないで?!」



お昼休み。

わたしは一瞬にして広まった、“ あくまくんは保志みゆうと付き合っている ”といううわさによって押しかけてくる女の子たちに怯えながら、午前中を過ごしていた。


恭平くんが爆弾を落として去っていったあとも、教室では卒倒する女の子たちや質問攻めしてくる子たちの対応に追われ、朝に増してげっそりしていたのだ。



そんな中、昼休みもたくさんの女の子たちに追われ続け、泣きながら廊下を駆け回っていた。

すると、どこからか出てきた恭平くんに攫われ、屋上に連れてこられ、いまに至る。