彼が腕を回してくれて、すっぽりわたしの身体が包まれる。
恭平くんの匂いを感じていると、彼はわたしに小さく言う。
「こんなに好きになったのはじめてだから、嫉妬ばっかでおかしくなるかもしんない」
「嬉しい、よ……?」
「……ん。みゆうちゃんに逃げられない程度にがんばるわ」
「恭平くんも……、逃げちゃだめだよ?」
「まかせとけ。嫌って言っても離してやんないから」
くすっと笑う恭平くんは、わたしの耳にキスを落とす。
はじめは抱きつき魔かと思ったけれど、もしかしたら恭平くんはキス魔なのかもしれない。
でもそんなところも、わたししか知らないのかと思えば、それもまた愛おしくなった。



