あくまくんが愛してやまない。




「俺さ、みゆうちゃんのこと大切にする」



急に恭平くんがそんなことを言い出すものだから、びっくりして彼を見る。


大切にする、と言い切った恭平くんの横顔は茜色に染まっていて、すごく好きだと思った。



「わたしも……恭平くんを、大切にする」



便乗してうなずくと、彼はぷっと吹き出して笑う。



「いや、みゆうちゃんは、俺のとなりで笑っていてくれるだけでいいよ」


「それだけで、いいの……?」



「ん。じゅーぶん」




当たり前のように言ってくれる恭平くんが愛おしくなって、彼の胸に飛び込む。


突然抱きついたわたしの頭を優しくなでてくれる温かさに、きゅーっと胸が沁みる。