あくまくんが愛してやまない。




「なーに可愛いこと言っちゃってんの」


「ひゃ……っ」



恭平くんはむくりと起き上がったと思えば、逃げる隙を与えず、わたしをすぐに押し倒した。


そのままわたしの前に覆いかぶさると、妖艶な笑みを浮かべて口角を上げる。



「何年先も、俺のとなりはみゆうちゃんだけだから」


「っ、ほんとに……?」



「ほんとほんと。来年もいっしょに文化祭回ろーな」



「うん……っ」




未来の約束なんて儚いものだ。

消えてしまっても文句は言えないし、すぐに散ってしまうものかもしれない。


それでもいま、言葉だけでも、そう言ってくれた恭平くんを信じたいと思う。


下から見る恭平くんも、いつもと変わらずカッコいい。


オールバックにしていた髪が少しはらりと落ちてきて、さらに色っぽくなる。