あくまくんが愛してやまない。





「みゆうちゃん、いまなに考えてる?」



空を眺めながら、恭平くんはわたしに問う。


その低く掠れた声が耳に馴染んで、慣れることなくキュンとする。


わたしはたぶん、恭平くん以外を好きになることはこれからないんだと思う。

彼以上に素敵な人に会える自信がない。


恭平くんと別れる未来がまったく見えない。



とても重い彼女なのかもしれないけれど、恭平くんも同じ温度差だったらいいなとほのかに感じた。



「来年の文化祭も、恭平くんのとなりにいたいなって……考えてたよ」




本音を口にすると、恭平くんはちらりとわたしを見た。


少し寂しい雰囲気になってしまったかも、と焦るけれど、そういうわけではなさそうで。