あくまくんが愛してやまない。




それからというもの。


彼氏との文化祭を回るという夢だったことが叶い、わたしはすっごくはしゃいだ。


出店にあった焼きとうもろこしや、わたあめなんかをふたりで食べて、お腹いっぱいになる。


さらに恋みくじをしているクラスに行って、大凶を引いて青ざめたわたしを、笑いながら恭平くんが慰めてくれたり。


ボーリングをしている教室に行ってめちゃめちゃ上手い恭平くんに、その場にいた全員が目をハートにしていたり。



なんだか遅れてきた夏のようなイベントに、心がうんと温まった。



実は、うちのクラスにも出向いて、実行委員として様子を見に行った。


そこには沢っちもエミもいて、ふたりはどこか親密な距離を漂わせながらも楽しそうにしていた。


どこかぎこちないわたしに、沢っちは優しい笑みを向けてくれたのはすごく嬉しかった。