はあっとため息をつく彼にきょとんとする。
わたし、変なこと言った……?
不安になるわたしに気づいたのか、彼はまた小さくため息をついたあと、困ったような表情をした。
「ここに来たのは、加世にシフト変わってもらうよう頼もうと思ったからなんだけど」
なるほど、とこくりとうなずく。
恭平くんがそう言えば、まさかにその瞬間、後ろから声がした。
「あれ、呼んだ?」
振り返ると、そこにはピシッと執事になりきっている素敵な長谷川くんがにこにこした表情で立っていた。
「加世、いいとこに来た」
「え、なに。なんか嫌な予感するんだけど」
「俺とシフト変わって」
「え、嫌。おまえ目当てで来る客どれだけいると思ってるわけ」



