「はいはい、ちゃんととなり歩いてね」
言われるがまま、繋いだ手とともに彼のとなりを歩く。
こんなふうに彼女扱いされるのは、まだ慣れていない。
でも嫌というほど実感させてくれる彼のおかげで、やっと現実味が湧いてくる気がした。
それにしても恭平くんは身長が高いなあ……と惚れ惚れしていると、着いたのは彼らのクラスが営む“ 執事喫茶 ”。
まさか入るのかな、と恭平くんを見上げる。
「入っていいの……?」
中はどんな感じだろう、とのぞこうとすると、途端に恭平くんに止められる。
「ぜったい嫌。ここ男だらけだから、みゆうちゃんなんか入ったら取って食われるってば」
「え……でも、恭平くんがとなりにいるから大丈夫だよ?」
「……小悪魔かよ」



