あくまくんが愛してやまない。




「みゆうちゃんは俺の彼女ってこと、ちゃんと知ってもらわないとね」



……そんなの、単純だから、嬉しくて喜んじゃうよ。

そのまま鼻歌でも歌ってしまいそうな彼の様子に、わたしは恥ずかしさで真っ赤になりながら怒る。



「でも……っ、みんな見てるのに」


「見てるから、じゃん。あと、みゆうちゃんがナンパされないように、牽制の意味も込めてたりする」


「そんなのしなくていいよ……っ」



「だーめ。だって俺まだみゆうちゃん不足だし」


「ううっ……、ど直球すぎます」




想いが通じ合ったからか、恭平くんはかなりストレートに気持ちを伝えてくれる。

それはもちろん喜ぶべきなんだけれど、心臓がもたないという視点からは、けっこう困る。