「俺さ、保志に、文化祭までに振り向いてもらえなかったら諦めるって宣言してた」
「そうだったの?」
「おう。だから、もう保志は阿久間にくれてやるよ」
「そもそも、みゆうはあんたのものじゃないって」
仕方がなさそうに笑う糸原がとなりにいてくれているだけで、辛い気持ちがどこか浮き足立つ。
「いつも協力してくれて、マジで感謝してた」
「改まってやめてよ。恥ずかしいってば」
「うん。でも、文化祭マジックかなにか知らないけど、今日の糸原かなり美しいわ」
「……着物着てるからじゃないの」
「そーかも?」
「……口説かないでよ」
「そんなつもりじゃないって」
思わず苦笑いを浮かべる。
なんだよ、糸原けっこう可愛いじゃん。
そう思ったのは、俺が単純だからなのかもしれない。



