ねえ、恭平くん。
わたし、単純だから、期待しちゃうよ。
好きが溢れて……こぼれてしまうよ。
恭平くんは……、まだ、わたしの彼氏でいてくれるの?
涙で目がいっぱいになりそうだったけれど、ふとあることに気づく。
沢っちは、いまどんな思いを抱えている……?
慌てて沢っちを見やると、彼は着ぐるみの奥で悲しそうに手を握っていた。
わたしのために、伸ばしてくれた手。
それを受け取れなかったわたしは、なにを言っても無駄だと思った。
「……沢っち」
無意識にぽろりと出た沢っちの名前に、彼はわたしを見た。
着ぐるみのせいで、顔が見れない。
どんな表情をしているのか、わからない。
どうしよう、なにを言えばいいのかわからないよ。



