あくまくんが愛してやまない。




突然現れた恭平くんに、さすがの男の人たちも怯んでいる。

彼によって振り払われた手が不格好だ。



「なんだよ、おまえ! 何様だよ!」




激昂する彼らに、恭平くんがわたしの前に庇うように立った。

その背中が怒っていて、思わず抱きしめたくなる。



「この子の彼氏だけど、なに?」





冷徹な声が放たれ、男の人たちはぐっと言葉に詰まる。



かなり不利になった状況に耐えられなくなったのか、彼らは「早く言えよ!」とわたしを睨んだあと、足早に去っていった。



睨まれて怖かったけれど、いまはそれどころじゃなかった。


恭平くんが……わたしの、彼氏だって、言ってくれた。