そのときだった。
きゃーっと甲高い女の子の黄色い声が廊下に響く。
文化祭効果もあってか、かなり盛り上がっているようだ。
でも、その歓声を聞いて、腰が抜けそうになるほど安心した。
だって、……ぜったいに、すぐそばにいるのは恭平くんだから。
「やばい、あくまくんカッコいい……」
「執事姿の破壊力ハンパないよこれ……」
廊下での囁き声でさえ聞こえてしまう。
あくまくん、という名前に反応する耳に、いつのまにかなっていた。
「おい! 保志、大丈夫か」
沢っちの声にハッとする。
廊下の歓声に気を取られ、いまの状況を忘れかけていた。
着ぐるみを着た沢っちは、わたしの腕を掴む男の人を睨んでいる。



