あくまくんが愛してやまない。





「ご指名ありがとうございました!」




慣れないけれど、ちゃんとメイドになりきって話す。


2人組の男の人のうちのひとりにスマホを渡すと、彼はわたしの顔をじっくり眺めて口を開いた。




「メイドさん、名前なんてゆーの?」




ニコニコと顔を近づけられ、思わず後ずさる。


今日はこうやって関係ないことで声をかけられることが少なくなかった。

ナンパってやつなのかな、と思いながらもどうしたらいいかわからない。



大抵の人は苦笑いでなんとかやり過ごすことができるけれど、今回は無理そうだと直感する。




「えーっと……、ホシっていいます」


「ホシ? それ下の名前?」



「えっと、苗字です……」


「えー下の名前教えてよー! なにちゃん?」