エミがここまで笑うの、なかなかないから貴重だな、と心が温まる。
エミに散々笑われて、泣きそうな沢っちを見つめると、数日前の彼の言葉を思い出す。
────『文化祭までに振り向いてもらえなかったら、そんときは、きっぱり諦める』
もう、沢っちの優しさには甘えられない。
わたしも、恭平くんとけりをつけなきゃいけない。
もう沢っちも口を聞いてくれなくなるかもな……。
そう考えたら、文化祭なんて終わらなければいいのにと、まだはじまってもないのに考えてしまった。
気がつくとエミと沢っちやクラスのみんなは、教室の前のほうに集まっていて。
「おい、保志! 開催の放送鳴るってよ」
変わらずわたしに声をかけてくれる沢っちに、笑顔を向けて口を開いた。
「オッケー! いまそっちに行く!」
────高2の文化祭が、はじまる。



