こうやって言い合いしていると、嫌なことをぜんぶ忘れられる。
沢っちは大事な友達で、信頼できる男の子だ。
わたしが元気ないときは声をかけてくれるし、こうやって茶々を入れて笑いあえる。
それがどれほどありがたいことか、わたしはいままでわかってなかったのかもしれない。
「……なんだよ」
気づかぬうちに沢っちをじっと見つめてしまっていたみたいで、彼は照れ臭そうにそう言った。
けっこうシャイなくせに、ストレートに想いを伝えてくれるところは、かなり心にくるものがある。
沢っちには、雨の日のことはなにも言っていない。
もしかしたら軽くエミから聞いているのかもしれないけれど、彼はわたしになにも言ってこなかった。



