あくまくんが愛してやまない。





「保志〜、こっちの看板作り手伝って!」

「みゆう! 衣装あとで最終チェックするから、見に来てね!」

「あ、保志! 俺ら買い出し行ってくるから、なにが必要かまとめてくれると助かる」




教室を回っていると、口々に声をかけられ、各々の対応に追われる。



ふと周りを見渡すと、教室は文化祭の準備に和気あいあいと賑やかで。


実行委員のわたしは、いま、私情で立ち止まっている場合じゃないことを思い知る。


でも、その忙しさが助かる。

彼を考える隙が、少し減るから。



楽しいイベントを前にして、気持ちはぐんと上向きになった。


大丈夫、わたしは元気だ。

恭平くんに会えなくても、がんばれるよ。



パンっと両手で頰を軽く叩く。

おのれに喝を入れて励ますと、途端にエネルギーが満ち溢れてきた気がした。