あの雨の日の出来事をエミに話すと、彼女は深いことはなにも言わず寄り添ってくれた。
ただ、『そっか』とうなずいてくれて、背中をさすってくれたのだ。
それがどれほどありがたかったかは、エミはたぶんわかっていない。
いつか恩返ししないといけないな、と毎日のように思っている。
「……会ってないよ、まったく」
「……そっか」
「愛想尽かされちゃった、かな」
「そうだとしたら、わたしが殴り込みに行ってあげるわ」
「うわーん……っ、エミ大好きだよおお……」
「いまだけは愛人になってあげるよ」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…