「ねえ、みゆう聞いた? 阿久間のクラス、執事喫茶らしいよ」
「知ってるよおお……、恭平くんの執事姿なんて鼻血もんだよ、泣きそうだよ……」
「みゆうもメイドのコスプレするんだし、お似合いじゃない」
「わたしのメイド姿なんて、恭平くんのとなりに並べない……」
「いつまでそう消極的になってるの」
「スミマセン……」
エミに泣きつくと、彼女はよしよしと頭をなでてくれる。
そういうところ、エミはすごく優しい。
なんだかんだ慰めてくれる心の広さにわたしは何度も助けられている。
「阿久間とは会ってないの?」
控えめにエミに尋ねられる。
わざと彼女が恭平くんの名前を出すのは、わたしがあまり話そうとしないから。