わたしは本気で好きなのに。

彼はいままでちがう世界の人で。



いま、やっとちゃんと話せたっていうのに、こんなのあんまりだ。


彼にとって、わたしは新しい遊びなんだと思う。

遊びなら、遊びでいい。


でも、彼女にしようとするのは……期待しちゃうんだよ。

いままでまったく彼女という存在を作らなかったみんなの王子さま。



そんな人の彼女になれるなんて、思ってないよ。

お願いだから、わたしの気持ちをからかうなら、いっそ前までと同じように陰で好きなままでいさせてほしい。



少し、沈黙が訪れた。

切れ長の色っぽい瞳は、わたしを射抜くように見つめている。


……強気なこと言って、嫌われちゃったかな。



このまま一生この時間が続くのではないかと思っていたそのとき、やっと口を開いた彼は。

予想と180度ちがう回答をわたしにくれたのだ。




「うん。やっぱみゆうちゃん、俺と付き合お」