あくまくんが愛してやまない。




『あ、ああああの、よければ、お写真撮らせていただいてもっ、よろしいでしょうか……っ!』




文化祭の日、死ぬほど噛み噛みで声をかけてきた女の子。


写真を頼まれることは自慢でもなんでもなく多かったから、別にそこに関してはなんとも思わなかったけれど。

でも、あんなに緊張して話しかけられたのははじめてだったから、思わずくすっと笑ってしまったのだ。



俺の反応に、緊張で真っ赤にした顔をあげた女の子。

純粋そうで可愛いな、とかなんとか思った気がする。




『ぜんぜんいいよ』




俺があっさりうなずくと、すっごい驚いて凝視してきて。

ぱあっと花が咲いたような笑顔で、俺にスマホを向けてきたんだけど。



『……え、あ、ピン写?』