あくまくんが愛してやまない。




ぱっと加世を見ると、あっちはあっちで女の子に囲まれていた。

それをいつもどおり笑顔で交わしている。


俺だって前までなら、なんとなくで遊んでたんだと思う。


そういう付き合い方をしてきたし、それでいいと思ってた。



でも、みゆうちゃんと付き合ってから、それができなくなったんだよな。




「あーごめん。俺、彼女いるわ」



真顔で断ると、ふたりはお互い目を見合わせてきょとんとする。



「えー、あくまくんらしくないよ。気にせず遊ぼうよ」

「そうそう。彼女って言ったって、本気じゃないんでしょ?」



最近、俺が女の子とまったく関わっていないことを知らないのか、平然とそう言ってくる。


本気じゃないんでしょ、のひとフレーズがひどく重たく感じた。




……いままではっきりしてこなかった俺の行動に、バチが当たってんだよな。