「いーじゃん、別に。俺が付き合おって言ってるんだし」



だから、阿久間くんはなぜそんなに乗り気なの……?!

信じられない思いで彼を見つめる。



ドキドキとかそういう次元じゃなくなっているおかげで、ズバズバものが言えちゃう。


相手は1年生のときから好きな人。

それなのに、交際を申し込まれて必死に思い留まってもらおうとしてるわたしは、……いったいなんなのだろうか。



「良くないです……っ! わたしは阿久間くんが好きだけどっ、阿久間くんはちがうんだし……」


「あ、やっぱ俺のこと好きなんだ」



墓穴……!!

ううっ、と唸りそうになって堪える。



そうして、やっと気づく。

付き合おう、と大好きな人に言われても、納得できない理由。


勇気を振り絞って、はっきりと言う。



「だから、だから、……からかうのはやめてくださいっ」