あくまくんが愛してやまない。





「で、なにがあったんだよ」



俺の様子に只事ではないと思ったのか、加世は前を向きながら尋ねてくる。


わざと深刻そうにしないところは、さすが加世だと思う。

感謝はいつもしているけれど、照れ臭くて口にはできない。



地面から起き上がり、フェンスのほうへ行く。

そこに寄りかかり、振り向くと加世がいる。



いつも、振り返ればみゆうちゃんがいたのにな、なんて思ってしまう俺はいったいなんなのだろう。




「……みゆうちゃんが委員会終わるの待ってて、そしたら沢内くんとふたりで帰ってて」


「ちょ、待て。ストップ」




せっかく人が打ち明けようってときに、慌てて止めに入ってくる加世。

彼をじとっと睨むと、理解が追いついていないように首を傾げられた。