あの雨の日のことを思い出す。
『恭平くんは、気持ちなんかなくても、……こういうことできちゃうの……?』
涙目でそう口にしたみゆうちゃんの表情がいまだに忘れられない。
あれから1週間と少し経ったけれど、みゆうちゃんからは音沙汰がない。
いつもは毎日一通は送られてきたメッセージは、いくら待ってもこない。
彼女のクラスとは階が離れているから、意図的じゃないと会えないところが裏目に出た。
みゆうちゃんがいまどこにいるのか、検討さえつかない。
ぜんぜん彼女のことを知らないと気づき、またため息が出そうになる。
「なに、保志ちゃんにキスしちゃったわけ?」
「……そーいうことだよ」
俺の返答に、加世は一拍置いた。
「あちゃー……、それはまた恭平らしくない」



