「恭平くんは……気持ちなんかなくても、こういうことできちゃうの……?」
だめだ、やめてよ、みゆう。
熱くなった頰はそのままのくせに、なにを言っているんだろう。
制御が効かなくなった脳が、悪い想像を膨らませる。
わたしの言葉にびっくりしたように、恭平くんは目を見開いた。
虚を突かれたようになにも言わない彼に、涙が出そうになる。
だって、……それじゃあ、図星だもん。
……これは、わたしをからかっただけで、ただの遊びなんだって。
相合傘をしてキスをして。
少女漫画みたいな憧れのシチュエーションなのに、なんでこうなっちゃうんだろう。
「みゆうちゃ……」
なにかを言いかける彼の言葉を遮るように、わたしは声を振り絞る。



