こんなの、慣れてるとしか思えない。
わたしは男の子と相合傘をするなんて、はじめてなのに。
彼の成す行動はすべて抜かりなくて、過去を物語っているのだ。
どれもヤキモチを焼いたって仕方ないことなのに、わたしはわがままだ。
でも、……恭平くんはわたしを待っていてくれたらしい。
最終下校時刻まで、ずっと。
雨が降っても、帰らずにだよ。
もう、それだけで……すごくすごく喜んじゃうよ。
そう考えるとみるみる元気が湧いてくる。
頰が緩んで仕方ないわたしは、とびっきりの笑顔で恭平くんを見上げた。
「えへへ、待っててくれてありがとう! 恭平くん」
「いーよ。沢内くんとふたりで帰ろうとしてたのは許せないけど」
あ、……やばい。
恭平くんの目が……おそろしく笑っていない。



