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「……い、おーい、みゆう!」


「っは、はい!!」




「あ、やっと起きた」





エミの声で飛び起きたわたしに、彼女は呆れたようにため息をついた。




「もう放課後だよ。さっきのHRもずっと熟睡してたんだから」


「えっ、もう放課後……?! 今日提出の紙、早く出さないと!」



「大丈夫、さっき沢内が出しに行ったよ」


「うああ……、また沢っちに任せてしまった……」



「もう……本当に忙しそうだね。実行委員」





机に突っ伏して寝ていたせいで乱れたわたしの髪を、エミが仕方なさそうに整えてくれる。


まわりを見渡すと、クラスメイトはだれひとりとして教室に残っていなかった。

どうやら随分寝てしまっていたみたいで、わざわざ起こしに来てくれたエミに申し訳なくなる。