あくまくんが愛してやまない。






「あれ、おふたりさんどうしたの?」



その声に我に返ると、わたしたちのそばにエミが立っていた。


どうやら図書委員の仕事が終わったらしく、真剣に見つめ合うわたしたちのこの状況にきょとんとしている。


沢っちはというと、エミの登場にため息をついた。

それを目ざとく気づいたエミが、にっこりと不気味な笑みを浮かべる。


彼女のおでこに青筋が浮かんだのを見て、ピキッと沢っちの表情が凍った。



「ん? 沢内? わたしじゃまだった?」

「いやそんなことないですごめんなさい」


「ひとの顔見てため息つかないでよ?」

「申し訳ございません」



腕を組んで怒るエミに、ヘコヘコ謝る沢っち。

上司と平社員のような光景に思わず吹き出してしまう。




「あ、沢内。喜べ、みゆうが笑ってるよ」

「いやまったく喜べねえよ」

「そんな器の小さい男はみゆうと付き合えないよ」

「頼むから俺の想いをネタにすんな」