彼の目を見つめて続きを促すと、沢っちは言いにくそうに目線をそらした。




「いやあ、実はさ、次LHRじゃん？」

「うん、……たしか来月の文化祭の出し物決めるんだよね？」



沢っちの言う通り、次の授業（というかロングホームルームだからほぼ自由時間）は、文化祭の準備になっている。



というのも、まだ詳細はいっさいなにも決まっていないから、本当にはじめの段階。

１年に一度の楽しいイベントだから意識していたのはわたしも同じだ。



話の流れで文化祭関係について話そうとしているのはなんとなく理解した。



だけど、肝心のなにを言おうとしているのかはわからなくて、頭の上にはてなを浮かべる。





「そうそう、そこで俺からひとつ提案というかお願いというか……」

「えっ怖いよ、沢っちがそんな謙虚だと別人みたい」


「……おい、なんかムカつくな」