あくまくんが愛してやまない。




「あ、でも今日、俺気づいたことひとつあるわ」



気づいたこと……?

ちゃんと聞くために彼と距離をとる。


恭平くんの温もりが離れて寂しいだなんて、正直に言うはずもなく平静を装う。


彼はそんなわたしの想いに気づかず、いったん口を閉ざす。

なにを言うんだろう、と構えていたけれど。


恭平くんは、それを意味がないとあざ笑うようなことを言ったのだ。



「俺、独占欲強いほうかも」


「どくせん、よく……?」



急になにを言い出すのかと首を傾げていると、彼は可笑しそうに口角を上げて続ける。




「みゆうちゃんがほかの男に触られてるの見て、思わずあいつらぶっ殺したくなったんだよね」

「だ、だめだよ……?!」


「まあ耐えたけど。俺以外に泣かされてるみゆうちゃんは、かなりここにきたね」



親指で自分の胸を指し、困ったように言う恭平くん。