あくまくんが愛してやまない。




わたしも安心させるように、腕を回して彼を抱きしめた。

恭平くんの胸に鼻を近づけると、バニラの匂いが全身に回る。



落ち着く甘さを感じていると、恭平くんは言いづらそうに口を開いた。



「宇野センパイは……元カノとかじゃないから」



もしかして……、わたしの心配を見透かされてる?

わかったうえで、その不安を取り除こうとしてくれてるの?



安心させようとしてくれてるのかな……。


もう、恭平くんらしくないよ。


そう思うのに頰が緩んじゃうんだもん。

……しかたないよね。




「うん……、わかったよ」

「本当に、違うから」


「そっかあ……恭平くんを信じるよ」



顔を上げてにこっと微笑むと、彼は目尻を下げて続ける。



「でも、俺がいままでいろんな女の子と遊んでたのは嘘じゃない。だから、こうなったのもぜんぶ、俺のせい」


「……うん」



「でも俺、遊びで彼女なんか作らねえよ」