逃げ腰になる先輩たちに対して、恭平くんは物怖じせず静かに問いかける。
「で、これ頼んだの誰?」
「べ、べつに頼まれてなんかねえよ!」
「誰?」
逃さないように間髪入れず聞き返す恭平くん。
その声には落ち着いた怒気が含まれていて、先輩たちは肩を震わせる。
歳は先輩たちのほうが上なのに、恭平くんのほうが優位に立っているように見えた。
かなり怒っている彼は、正直に言わないとどう行動するかわからない不明瞭さがある。
「……っ、宇野だよ! あいつらに頼まれたんだ」
ヤケになってわめいた、ひとりの先輩。
その言葉に恭平くんはまったく表情を崩さず言い放つ。
「やっぱり。さっきすれ違ったからそうだと思った」
「は?! カマかけたのかよ?!」



