麻衣ロード、そのイカレた軌跡/補完エピソーズ集

その13
ケイコ



その日の寝る間際、お母さんには最低限の範囲でテツヤとのことを伝えた

そして明日テツヤ達が家に来ることも…

「やっぱり、そういうことになってたのね…」

こう一言ぽつりと漏らしたお母さん、ちょっとため息漏らしてたわ

考えてみれば、お母さんは最初から、テツヤを取り巻く女の子達のリアクションを懸念してんだよな


...



「それでどうするつもりなの、あなた達?まさか、あなた…」

「それは、明日テツヤときちっと話をして結論出すからさ。もう一日待ってて、お母さん…」

「じゃあ、ひとつだけ答えて。ケイコは今でもテツヤ君のこと、好きなの?こんなことがあっても…」

「うん。好きだよ、今も。むしろ、ますます好きになったかも…」

「そう…。それならいいわ。しっかり二人で決めなさい」

「ありがとう。お母さん…」


...



「ああ、それとお父さん、戻るのは秋になりそうだって。夏の大会に出るケイコを見れるかなって、楽しみにしてたんだけどね…。あと、ボーフレンドもどんな子だろうって言ってて…」

「そうか…。夏休みが終わった後か…、お父さん帰るの」

南米に単身赴任中の父とは、年末に帰って以来、会っていない

進路のことでいろいろ気苦労かけちゃって…

今度お父さんが家に戻る頃、私、どんななんだろうか



...



それにしても…

高校へ入って3か月も経たないのに、なんとさまざまな出来事があったのだろうか…

まさに毎日が激動してた

それって…、私自身も私の周りも、何か大きな渦に呑み込まれてる

そんな気がしてならない

それはもう止めらないほどの大きな流れなんじゃないか

そして…、この夏はさらに何かが起こる予感がする

まずは明日、テツヤと二人の今後を決めなきゃ

じゃあテツヤ、おやすみ…