歩さんは私と一番歳が近い二十四歳。黒凪コンツェルンのひとつである黒凪商事で、部長として経験を積んでいる最中らしい。階級は下から二番目のロウワー・ミドルになるが、本人はそれについてはまったく興味がなさそうだ。
瑛司さんは冷静沈着なインテリ系、歩さんは無邪気な小悪魔タイプ、といった人となりがなんとなくわかった頃におひらきとなった。
各々が席を立つ中、お義母様がこちらに近づいてきて、先ほどよりさっぱりとした調子で言う。
「深春さん、さっそく明日ここに来てくださる? まずは階級の決まりについてと、黒凪家の家訓を学んでもらうから」
「家訓があるんですか」
なにやらしょっぱなから難関そうで身構える私に、帰ろうとしていた歩さんが足を止めて教えてくれる。
「黒凪家のお嫁さんはこの勉強をしなきゃいけないんだってさ。校長の話くらい長くて死ぬほどつまらないけど。まあ、通過儀礼みたいなもんだと思って」
「歩!」
にょきっと角を生やしたようなお義母様は、息子を叱る普通のお母さんといった感じでちょっぴりほっこりする。歩さんは意に介さず、私にひらひらと手を振って帰っていった。
瑛司さんは冷静沈着なインテリ系、歩さんは無邪気な小悪魔タイプ、といった人となりがなんとなくわかった頃におひらきとなった。
各々が席を立つ中、お義母様がこちらに近づいてきて、先ほどよりさっぱりとした調子で言う。
「深春さん、さっそく明日ここに来てくださる? まずは階級の決まりについてと、黒凪家の家訓を学んでもらうから」
「家訓があるんですか」
なにやらしょっぱなから難関そうで身構える私に、帰ろうとしていた歩さんが足を止めて教えてくれる。
「黒凪家のお嫁さんはこの勉強をしなきゃいけないんだってさ。校長の話くらい長くて死ぬほどつまらないけど。まあ、通過儀礼みたいなもんだと思って」
「歩!」
にょきっと角を生やしたようなお義母様は、息子を叱る普通のお母さんといった感じでちょっぴりほっこりする。歩さんは意に介さず、私にひらひらと手を振って帰っていった。



