孤高の御曹司は授かり妻を絶え間なく求め愛でる【財閥御曹司シリーズ黒凪家編】

 とりあえず挨拶が一段落したところで、家政婦らしき女性たちと、先ほど案内してくれた男性が用意してくれた本格的なアフタヌーンティーをいただくことになった。

 初老の彼は、この家の執事で(ほとけ)さんというらしい。まったく悪意がなさそうなものすごくいい人で、その名の通り仏のよう。黒凪家にもあなたのような方がいるんですね……!と拝みたくなる。

 広いテーブルの上にそれぞれ二段のケーキスタンドが用意され、ホテルに来たみたいで私は密かに胸をわくわくさせていた。

 クロテッドクリームを塗ったスコーンも、小さなデザートの数々も、香りのいい上質な紅茶もすべて美味しくて大満足だ。

 そこでは比較的和やかに話をして、奏飛さんの兄弟について知ることができた。

 瑛司さんは二十八歳で黒凪不動産の専務を務めており、階級はアッパー・ミドルになる。奏飛さんも結婚したので同じ階級に上がったのだが、これまで会社での地位は奏飛さんのほうが上にもかかわらず階級は下だったというのが、やはり独特だ。

 奥様の香苗さんは二十六歳で、彼女も裕福な家の出身だそう。お父様が黒凪コンツェルンのビジネスパートナーで、その関係で決まった結婚だったと話していた。