孤高の御曹司は授かり妻を絶え間なく求め愛でる【財閥御曹司シリーズ黒凪家編】

「俺の一族は特殊でね。普通の家庭からは想像がつかないだろうが……」
「階級があるんですよね? 翼さんから少し聞きました」

 黒凪さんの考えも、階級についても詳しく知りたくて、私はナイフとフォークを置いて姿勢を正した。彼は「そうか」と頷き、説明を始める。

「明治維新後、複数の財閥ができて競争が激しくなっていった。それにつれて好き勝手に取引したり、いわゆるネームバリューを乱用する者も多く出てきた。品位が損なわれると危惧した当主たちは、財閥一族に一流の人間としての意識を持たせるために独自の階級制度を作ったんだ」

 財閥の中で階級を作ってしまうなんて、さすがやることが普通とは違う。

 唖然としつつも頷くと、黒凪さんは「これがまた独特でね」と続ける。

「当主の中に英国愛の強い人がいてイギリスの階級をモデルにしたらしい。大きく分けると上流のアッパー、中流のミドル、下流のロウワーの三層になるが、中流はさらに三つに分けられる。つまり、階級の種類は全部で五つあるということだ」

 中流だけは細かく分けられているのか。それはどうすれば上がっていくのだろう?と、単純な質問をする前に彼が教えてくれる。