磨かれた鏡面のような壁に私たちの姿が映り込んだ瞬間、忘れていた劣等感が舞い戻ってきた。いくら外見を綺麗にする魔法をかけたって、中身は灰かぶりのままなのだと。
不安げにする私に気づいたのか、黒凪さんが柔らかな口調で言う。
「マナーは教えるから心配するな」
「はい……でも、やっぱり緊張します。私にはすべてが釣り合わなくて」
高級レストランに入るのも、黒凪さんの隣にいるのも、私には相応しくないだろう。
俯き気味に髪を耳にかけると、彼がその手を取って自分の腕に絡ませる。ぐんと密着して心臓が大きく音を立てた。
「堂々としていろ。見た目も中身も、君はどの女性にも引けを取らない」
頼もしい声が降ってきて、心がじわじわと熱を持つ。翼さんに言われたせいもあって、黒凪さんの言葉は取り繕っているように感じない。
ほんの少し自信が湧いてきて、私は絡ませた彼の腕をきゅっと掴み、レストランの中へと足を踏み入れた。
きらきらとした明かりがこぼれ落ちそうなシャンデリア、重厚な存在感のある調度品、料理を引き立てるキャンバスのようなオフホワイトのテーブルクロス。
ヨーロッパの宮殿を彷彿とさせる空間で、黒凪さんのおまかせで頼んでもらったワインとディナーをいただく。
不安げにする私に気づいたのか、黒凪さんが柔らかな口調で言う。
「マナーは教えるから心配するな」
「はい……でも、やっぱり緊張します。私にはすべてが釣り合わなくて」
高級レストランに入るのも、黒凪さんの隣にいるのも、私には相応しくないだろう。
俯き気味に髪を耳にかけると、彼がその手を取って自分の腕に絡ませる。ぐんと密着して心臓が大きく音を立てた。
「堂々としていろ。見た目も中身も、君はどの女性にも引けを取らない」
頼もしい声が降ってきて、心がじわじわと熱を持つ。翼さんに言われたせいもあって、黒凪さんの言葉は取り繕っているように感じない。
ほんの少し自信が湧いてきて、私は絡ませた彼の腕をきゅっと掴み、レストランの中へと足を踏み入れた。
きらきらとした明かりがこぼれ落ちそうなシャンデリア、重厚な存在感のある調度品、料理を引き立てるキャンバスのようなオフホワイトのテーブルクロス。
ヨーロッパの宮殿を彷彿とさせる空間で、黒凪さんのおまかせで頼んでもらったワインとディナーをいただく。



