私もいまだに謎だらけだ。さっき車の中でどうしてここまでしてくれるのか尋ねてみたものの、『詳しい話はまた後で』とはぐらかされてしまったから。
とりあえず今日の出来事をかいつまんで説明すると、黒凪さんの行動に驚いたり、私の家庭事情に憤慨したりと、翼さんは百面相をしていた。
ひと通り聞いたところで、彼女は一旦メイクする手を止めて腕を組む。
「じゃあ奏飛は、深春ちゃんにいい思いをさせて家族をギャフンと言わせてやろうと協力してる、ってとこかな?」
「たぶんそうなんじゃないかと。でも、どうして初対面の私なんかにそこまでしてくれるのかがわからなくて」
「そうだねぇ……。奏飛ってモテまくるくせに、女どころか人に興味がなさそうだったから、誰かひとりに対して親身になるのってすごく意外。ここに女の子連れてきたのも初めてだし」
黒凪さんの人となりが少しだけ明かされ、私はメイク途中の目で翼さんを見上げる。
「黒凪さんって、結婚されてないんですね」
「うん。容姿も財力もズバ抜けてるのに独身の三十路男なんてそうそういないけど、あの家はかなり特殊だからねー。嫁入りするってなると逃げちゃう女性が多いのかも」
「特殊?」
とりあえず今日の出来事をかいつまんで説明すると、黒凪さんの行動に驚いたり、私の家庭事情に憤慨したりと、翼さんは百面相をしていた。
ひと通り聞いたところで、彼女は一旦メイクする手を止めて腕を組む。
「じゃあ奏飛は、深春ちゃんにいい思いをさせて家族をギャフンと言わせてやろうと協力してる、ってとこかな?」
「たぶんそうなんじゃないかと。でも、どうして初対面の私なんかにそこまでしてくれるのかがわからなくて」
「そうだねぇ……。奏飛ってモテまくるくせに、女どころか人に興味がなさそうだったから、誰かひとりに対して親身になるのってすごく意外。ここに女の子連れてきたのも初めてだし」
黒凪さんの人となりが少しだけ明かされ、私はメイク途中の目で翼さんを見上げる。
「黒凪さんって、結婚されてないんですね」
「うん。容姿も財力もズバ抜けてるのに独身の三十路男なんてそうそういないけど、あの家はかなり特殊だからねー。嫁入りするってなると逃げちゃう女性が多いのかも」
「特殊?」



