孤高の御曹司は授かり妻を絶え間なく求め愛でる【財閥御曹司シリーズ黒凪家編】

「深春ちゃんが陣痛が来た時って破水した? 本当に定期的な感覚で痛くなるの?」
「破水はしてないです。最初は、これ陣痛かなぁ?ってくらいで……」

 興味津々な香苗さんに、深春は丁寧に答えている。

 実はあれから香苗さんも命を授かり、現在妊娠六カ月なのだ。

 階級制度は廃止したので必ずしも子供を持つ必要はなくなったのだが、やはり純粋に欲しかったらしく、諦めずにチャレンジしていたら奇跡が起きたのだと言っていた。

 これには皆が大喜びだったし、俺も安堵した。特に深春は嬉しかっただろう。妊娠中に安産祈願をしに行った神社で〝義姉が赤ちゃんを授かりますように〟と絵馬に書いていたくらいだからな。

 性別は女の子の可能性が高いそうで、瑛司も父もさらにデレデレするのが目に見えている。このまま出産まで順調にいってほしい。

 すると、母に抱っこされている音羽がぐずり始める。オムツは替えたばかりだし、授乳もさっきしていたから、おそらく単純に俺たちが恋しくなったのだろう。

「えー、もうママがよくなっちゃったの?」
「パパでもいいよな? 音羽」

 深春より先に俺が母のもとへ行って、抱っこを代わる。深春は香苗さんと楽しそうに話しているし、少しでも休ませてあげたい。