孤高の御曹司は授かり妻を絶え間なく求め愛でる【財閥御曹司シリーズ黒凪家編】

 ──結婚式から約九カ月後、もう階級社会ではなくなった黒凪家だが、月に一回日曜に家族皆で集まる習慣は続いている。

 今日も全員集合しているのだが、母は俺たちの近況報告より孫の成長のほうが気になって仕方ないらしい。生後五カ月になった俺たちの息子、音羽(おとわ)にくっつきっぱなしなのだ。

 リビングに置かれたベビーベッドで深春がオムツを取り替えた今も、活発にごろんと転がる様子を見て声を上げる。

「あらららまあ〜、もう寝返りが打てるようになったの!? すごいわねぇ、おとちゃん!」

 オーバーリアクションで褒めまくる母は、初孫である音羽が産まれてからというもの、すっかりメロメロになっている。

 まあ、その気持ちはよくわかる。俺だってずっと抱きしめていたいほど、可愛くて仕方ないのだから。

 鳥のように自由に生きていってほしいという願いを込めて、名前に〝羽〟を使った。そこに〝音〟を足したのは、ふたりともピアノが好きだからだ。

 深春に似ているつぶらな瞳も、柔らかなほっぺも、小さな手足もなにもかもが愛くるしい。大きな問題もなくその姿を見せてくれて、音羽はもちろん、深春にも本当に感謝している。