孤高の御曹司は授かり妻を絶え間なく求め愛でる【財閥御曹司シリーズ黒凪家編】

「意味は十分にあります。この子は、今ここにいるだけで奇跡なんですから。性別なんて関係ないし、生まれてくるだけで褒められるべき存在なんです」

 堂々と自分の意見を口にする彼女は、ドレスアップしているからではなく、内から滲み出る強さと美しさに満ちていた。

 ああ、やはり彼女が好きだと、改めて感じる瞬間がある。今のように。

 深春は自分に自信を持てない部分がありつつも、決して弱い人間ではなかった。厳しい環境でも負けずに綺麗に咲く花のような、健気で驕らないその姿に俺は惚れたのだ。

「無条件で愛される命をないがしろにするような階級なら、必要ありません」

 彼女は父をまっすぐ見つめて、俺が言いたいことをすべて代弁してくれた。その直後、香苗さんが一歩前に踏み出して口を開く。

「私も、深春さんと同じ意見です。命を授かるのは、決して当たり前のことではありませんから」

 不妊治療をしている彼女の言葉はより重みがある。妊娠できなかったら瑛司に見放されるのではないかと恐れていた彼女も、階級制度に振り回されたひとりだ。