「最初は、俺がアッパーになって、制度の廃止に向けて他の財閥一族に掛け合おうと考えていました。でもそれには長い時間がかかる上に、階級を重んじている一族を説得するのは容易ではないでしょう」
そこでひと呼吸置いた時、佛さんが書類の束を持って戻ってきた。それを受け取り、「ですので」と話を続ける。
「黒凪一族だけでも階級制度を廃止したいと各方面に掛け合ったところ、藤堂家と矢神家の当主、そして黒凪一族の過半数の賛同が得られました」
俺が作った嘆願書と、数十名分の署名簿を父に差し出した。彼はそれを見下ろして珍しく目を見張り、横から母が覗き込んで驚愕する。
「こんなの集めてたの!?」
「ああ。瑛司と歩にも協力してもらってね」
母は呆気に取られたまま弟たちを見やる。瑛司は涼しげな表情で腕を組み、歩は得意げにニッと口角を上げた。
この間、俺たちの家にふたりが食事をしに来た時、この件について相談していたのだ。ふたりとも制度の廃止に賛成し、できる限り署名を集めようと協力してくれた。
俺たち以外の黒凪一族がどんな意向なのか、度々あるパーティーでそれとなく探ってみたところ、ほとんどの人が階級制度はなくてもいいと考えている。ならばきっと署名も集まるはずだと、行動に移して正解だっただろう。
そこでひと呼吸置いた時、佛さんが書類の束を持って戻ってきた。それを受け取り、「ですので」と話を続ける。
「黒凪一族だけでも階級制度を廃止したいと各方面に掛け合ったところ、藤堂家と矢神家の当主、そして黒凪一族の過半数の賛同が得られました」
俺が作った嘆願書と、数十名分の署名簿を父に差し出した。彼はそれを見下ろして珍しく目を見張り、横から母が覗き込んで驚愕する。
「こんなの集めてたの!?」
「ああ。瑛司と歩にも協力してもらってね」
母は呆気に取られたまま弟たちを見やる。瑛司は涼しげな表情で腕を組み、歩は得意げにニッと口角を上げた。
この間、俺たちの家にふたりが食事をしに来た時、この件について相談していたのだ。ふたりとも制度の廃止に賛成し、できる限り署名を集めようと協力してくれた。
俺たち以外の黒凪一族がどんな意向なのか、度々あるパーティーでそれとなく探ってみたところ、ほとんどの人が階級制度はなくてもいいと考えている。ならばきっと署名も集まるはずだと、行動に移して正解だっただろう。



