孤高の御曹司は授かり妻を絶え間なく求め愛でる【財閥御曹司シリーズ黒凪家編】

 その週の木曜日は、お義母様と香苗さんにも手伝ってもらって、結婚式の席次表や席札の確認をした。決して失礼があってはならないので神経を使うし、人数がかなり多くひとりでは厳しいのでとても助かる。

 この機会に香苗さんと話せたのはよかった。彼女は今も不妊治療中だが、瑛司さんとは前にも増して仲よくなったみたいだし、以前のように暗い表情は見なくなったのでほっとしている。

 そして、気がかりだった叔父の件。あれ以来なんの連絡もなく、それが逆に不気味ではあるもののひとまず平和だ。このまま何事もなく式当日を迎えたい。

 午後五時頃、黒凪家を出て自宅に帰る前にスーパーに立ち寄った。

 今日は沢木さんが休みを取っていて、私が夕飯を作れる日なので食材も自分で買いたい。スーパーで買い物をするのもめっきり減ってしまったから、これだけで楽しい。

 頭の中で献立を考えて店内に入ろうとした時、中からひとりの若い女性が歩いてきた。見覚えがあるなと思った次の瞬間、自然に彼女の名前が口から飛び出す。

「星羅!」

 ビクッと肩を跳ねさせて足を止める彼女は、こちらを見て私と同じく目を丸くした。