病室から先生が出ていった後、普段のクールさに戻った奏飛さんが言う。
「これくらいで済んだのは奇跡だな」
「お腹の子を守ろうと、咄嗟に受け身を取ったんじゃない? そこは褒めてあげるわ」
お義母様はツンとした言い方をするも、ここまで来てずっと付き添ってくれているところからして、やっぱり根は悪い人ではないと確信した。
それにしても、香苗さんはどうしたのだろう。だいぶ参っているようだったから彼女も心配で、お義母様に尋ねてみる。
「あの、香苗さんは?」
「遠慮して待合で待っているから呼んでくるわ。私はこれで失礼するわね」
「はい。ありがとうございます」
バッグを持ったお義母様は、帰る間際に「奏飛」と呼ぶ。
「あなたが焦ったり、愛しそうにしたり、そういう感情を露わにするところを初めて見た気がする。父親としても頑張りなさいよ」
彼女の言葉が意外だったのか、奏飛さんはやや目を丸くした後、仏頂面で腕を組む。
「言われるまでもありません」
彼はそっけなく返したものの、お義母様は満足げにクスッと笑みをこぼす。そして私に「お大事に」とひと声かけて病室を出ていった。
その直後、入れ違いで入ってきたのは香苗さんだけでなく、瑛司さんもいたので私は目をしばたたかせた。
「これくらいで済んだのは奇跡だな」
「お腹の子を守ろうと、咄嗟に受け身を取ったんじゃない? そこは褒めてあげるわ」
お義母様はツンとした言い方をするも、ここまで来てずっと付き添ってくれているところからして、やっぱり根は悪い人ではないと確信した。
それにしても、香苗さんはどうしたのだろう。だいぶ参っているようだったから彼女も心配で、お義母様に尋ねてみる。
「あの、香苗さんは?」
「遠慮して待合で待っているから呼んでくるわ。私はこれで失礼するわね」
「はい。ありがとうございます」
バッグを持ったお義母様は、帰る間際に「奏飛」と呼ぶ。
「あなたが焦ったり、愛しそうにしたり、そういう感情を露わにするところを初めて見た気がする。父親としても頑張りなさいよ」
彼女の言葉が意外だったのか、奏飛さんはやや目を丸くした後、仏頂面で腕を組む。
「言われるまでもありません」
彼はそっけなく返したものの、お義母様は満足げにクスッと笑みをこぼす。そして私に「お大事に」とひと声かけて病室を出ていった。
その直後、入れ違いで入ってきたのは香苗さんだけでなく、瑛司さんもいたので私は目をしばたたかせた。



