孤高の御曹司は授かり妻を絶え間なく求め愛でる【財閥御曹司シリーズ黒凪家編】

「こうやって混ぜてそのまま食べてもいいですし、ご飯に乗せると最高に美味しいんです! 食欲がなくなりがちな今の時期にぴったり──」
「人間の食べ物じゃないでしょうコレ!?」

 お義母様が堪えきれずにすっとんきょうな声を上げた。こういうリアクションをされるのはもちろん予想済みなので、私は動じず「ちゃんとした食べ物です」と答える。

 やっぱり皆にも庶民の料理を食べてもらいたくて、一品だけ冒険してみたのだ。もろきゅうよりはランクが高いと思うし、なにより栄養たっぷりだし。

 よく混ざった小鉢の中を見て、歩さんと瑛司さんもなんとも言えない顔をしている。

「見た目がなんか、逆に食欲を削がれるっていうか……」
「私たちにこれを出した勇気は認めましょう」

 手をつけようとしない弟さんたちに、奏飛さんは平然とご飯にネバネバを乗せて言う。

「なかなかうまいぞ。つべこべ言わず食べてみろ」
「うん、私も初めて食べたけど美味しい!」

 香苗さんもさっそく実食して、お気に召してくれたらしい。その反応を見て、瑛司さんたちも半信半疑な様子で箸を動かし始めた。

 お義母様も、ぶつぶつ言いながら口へ運ぶ。

「こんなごちゃ混ぜのものが美味しいわけ…………イケるわ」

 天然でギャグみたいなリアクションをするお義母様に、私は嬉しくなりながらも笑いを堪えるのに必死だった。