指や舌で翻弄された後、「挿れるよ」と前置きされ、十分に慣れたそこに彼の熱い一部が入ってきた。

 奏飛さんは常に優しく気遣ってくれる。ゆっくり時間をかけてなんとか迎え入れた後も、余裕のない表情を浮かべながらも動き出すのは私が痛みに慣れてからにしてくれていた。

 奥深くを何度も押し広げられるのは、びりびりとしてやっぱり少しきつい。でもまったく嫌じゃなく、むしろ喜びさえ感じる。

 身体を繋げるのが、こんなに幸せな行為だったなんて。

「ぁあ、ん……っ、うれ、しい」
「俺も」

 私の上で汗を滲ませ、目が合うとわずかに微笑む彼を見ると、胸が幾度となく締めつけられる。

 こうやってずっとくっついていたい。その目に私だけを映していてほしい。

 ──ああ、この感覚が〝愛しい〟というものなんだ。切なくなるのも、家族を作りたいのも、奏飛さんへの愛があるからだと、今はっきりわかった。

「奏飛さん……離れ、ないで」

 彼の首にしがみついて懇願すると、一瞬驚いたように目を見張った彼は指と指を絡める。

「深春こそ。どこへも行くなよ」

 誓い合うように口づけを交わし、潤む瞳を閉じた。

 たとえ彼からの愛がもらえなかったとしても、私はこの手を絶対に離さない。