「歩さんはお友達が多そうですね」
「どうだろねぇ。まあ、兄ちゃんたちより多いのは確実」
いたずらっぽく口角を上げる彼につられて私も笑った。
料理を取り終わって奏飛さんのもとへ戻ろうとすると、歩さんはやや真剣な面持ちで声をひそめて言う。
「ね、結婚生活はどう? 特殊な家だし、大変でしょ」
「まあ、それなりに……」
正直かなり特殊だけれど、その一族のひとりである彼に失礼な気がして曖昧に笑って濁した。
歩さんはその大きな瞳で心配そうな眼差しを向けてくる。
「特に奏飛兄ちゃんって僕たちといる時ほとんど笑わないし、物をはっきり言うくせに無駄な会話をしないから、深春ちゃんつらくないかなと思って」
確かにご家族の前ではいつもそっけないし、冷たい雰囲気が漂っている気がする。階級社会が気に入らないからなのか、はたまた別の理由があるのか。
なぜかはまだわからないけれど、ひとつだけ確かなことがある。
「奏飛さんは優しいですよ。初対面の時からずっと」
嘘偽りのない笑みを浮かべて見上げると、歩さんは驚いたように少し目を丸くした。
彼の向こうで奏飛さんが私を探しているのに気づき、「じゃあ、また」と告げて離れる。歩さんはなにか言いたげにしているようにも見えたが、引き止められはしなかった。
「どうだろねぇ。まあ、兄ちゃんたちより多いのは確実」
いたずらっぽく口角を上げる彼につられて私も笑った。
料理を取り終わって奏飛さんのもとへ戻ろうとすると、歩さんはやや真剣な面持ちで声をひそめて言う。
「ね、結婚生活はどう? 特殊な家だし、大変でしょ」
「まあ、それなりに……」
正直かなり特殊だけれど、その一族のひとりである彼に失礼な気がして曖昧に笑って濁した。
歩さんはその大きな瞳で心配そうな眼差しを向けてくる。
「特に奏飛兄ちゃんって僕たちといる時ほとんど笑わないし、物をはっきり言うくせに無駄な会話をしないから、深春ちゃんつらくないかなと思って」
確かにご家族の前ではいつもそっけないし、冷たい雰囲気が漂っている気がする。階級社会が気に入らないからなのか、はたまた別の理由があるのか。
なぜかはまだわからないけれど、ひとつだけ確かなことがある。
「奏飛さんは優しいですよ。初対面の時からずっと」
嘘偽りのない笑みを浮かべて見上げると、歩さんは驚いたように少し目を丸くした。
彼の向こうで奏飛さんが私を探しているのに気づき、「じゃあ、また」と告げて離れる。歩さんはなにか言いたげにしているようにも見えたが、引き止められはしなかった。



