だんまりカメラマンとニセアイドルの一冊の写真集


「行くぞ、だんまり」

ニセは僕に小さい声で言った。

僕がアイドルニセに尊敬の眼差しで見たら、それに気づいたニセは。

「何だよ。いいか、あれは俺の勝負スマイルだ。
 あれを出すと女はいちころ。
 黙って俺のとりこになってしまうのだよ。ガハハ」

ニセは笑って言った。

尊敬の目を向けたことを少し後悔し始めた。